今回は『徳川家康展』である。私は古い史料は不得意であるが、この時期城郭関連の展示会が近くでないし徳川家康ということで見学した。昨年は没後400年で静岡県、愛知県を始め全国各地で展示、イベントが行われたが、本来は今年がその年である。昨年ほどではないが、いくつかの展示会、イベントがあるようである。
この『徳川家康展』はサブタイトルが「将軍家蔵書からみるその生涯」である。史料数は69点でる。古文書は少なくほとんどが古記録である。誕生から死亡まで時代をおって並べられており、一つの館で全てをまかなえることの出来るのはさすが国立だけのことはある。桶狭間の戦いから大坂夏の陣までの合戦の他に文教政策、神格化など多方面から光を当てている。家忠日記、三河物語等著名な史料の他にも多くの史料を展示しており、半分ぐらいには該当部分の釈文も載せている。紅葉山文庫、昌平坂学問所旧蔵が半分以上を占めており、幕末の混乱期に江戸城および江戸が焼かれなかったおかげである。図録は200円で販売している。スペースの関係で釈文が無いのが残念である。
蛇足だが、音声ガイドは必要ないのではないか。絵画ならともかく古い史料は字を追うものである。分らなければ図録を見ればいいのだし、公文書館というぐらいだから専門家も多くいるので一人でも常駐して質問に答えるような態勢でもよいと思うのだが。特別展の場合は常設展がなく展示室全部を使い、企画展の時は展示室の半分が常設展のようである。
開催期間
2016年4月2日から5月8日まで開催。
- 見学日
- 2016年4月11日
- 記
- 2016年4月18日