今年初めての見学記である。タイトルは『小田原城とその城下を掘る』、サブタイトルは「発掘調査から解き明かされる歴史」である。すなわち考古学を主とした展示である。まず城絵図の文久図と弘化図が出ている。続いて代表的な出土遺物としてかわらけ、鍋島が出ている。次から本題に入る。本丸は写真のみ、二の丸も馬出門、住吉堀、二の丸御屋形、御用米曲輪を扱っているが写真のみ。三の丸は杉浦平太夫邸跡、大久保弥六郎邸跡、藩校集成館跡、三の丸東堀、三の丸元蔵堀でやっと出土遺物が展示されている。続く八幡山古郭は写真のみ、小田原城下は出土遺物が出ている。最後の総構は写真のみである。大量の出土遺物はいくつかの主だったものを除いてキャプションがない。今注目されている御用米曲輪の遺物が無いのは寂しい。写真は豊富で障子堀も多く見られるのは小田原城らしい。絵図以外の図面は赤色立体地図、遺構分布図、遺構想定図、平面図が1面ずつしかない。テーマに特化した展示であるが、展示室の構造に制約があるのは仕方ないのかなと思った。刊行物は無い。というか図録は作成中とのこと、いつもながらとはいえ困ったものである。
2024年11月30日から2025年2月24日まで開催
2025年1月5日見学
2025年1月10日記