今年の見学記もそろそろ終わりである。友人と栃木県内を回ってきた。タイトルは『御所様、喜連川を治める』、サブタイトルは「喜連川足利氏の江戸時代」である。開館30周年記念の展示である。開催期間が約半月と短かったが、なんとか最終日に間に合った。全68件である。ホールに喜連川足利氏入門編、喜連川に伝わる民話 お殿様編のパネルが展示されている。企画展示室は喜連川足利氏の成立から始まる。足利家通系図、豊臣秀吉朱印状などが出ている。次に格式や家臣団で喜連川家格式書付、喜連川由緒書などが出ている。領内統治ではお家騒動や幕府、大名との関係等を取り上げ、老中奉書、吉良義央書状などが展示されている。御所様といわれる喜連川足利氏であるが、結構統治には苦労したようである。次は学問と美術であり、宜氏肖像、貞恭院肖像などが出ている。最後は明治以降であり、喜連川家より新政府あて恭順申し入れ書などが出ている。他に常設展示室の一部を使い、書、人物図等が並んでいる。展示は古文書、文献中心であり、特に館蔵の喜連川文書や初公開の文書が見所となっている。喜連川足利氏の概略が分かる展示であるが、通常のひと月ぐらいは開催して欲しかった。刊行物は資料一覧のみである。
2023年11月25日から12月10日まで開催
2023年12月10日見学
2023年12月16日記