安城市歴史博物館見学記7

 10月17日に愛知県へ行った時に見学したが、この館にしては珍しく図録が出来ていなかった。ようやく手元に届いたので記すことにする。タイトルは『三河本多一族』であり、『徳川の支柱 酒井氏』に続く安城譜代二となる。三章に分かれる。第1章は三河の本多一族であり、系譜を主としている。一口に本多家といっても戦国末以前は系統によってバラバラである。大名及び万石陪臣となった本多家は5家あり、豊後守家、作左衛門家、伊奈本多家、小川本多家、中務大輔家である。著名な本多忠勝は中務大輔家、本多正信は小川本多家の出である。幕末には作左衛門家のみ越前藩家老であったが、他の4家は大名であった。第2章は家康と本多一族、第3章は要地への配備である。家康が幕府を開くまでとそれ以降を対象としているが、5家の展示品がバラバラに配置されているのは見ずらかった。家ごとにまとめて欲しかった。古文書、武具、城絵図、肖像画などが万遍なく出ていた。作左衛門家のみ1節をさいているのが目立った。また、小川本多家の本多正信の次男である政重は加賀八家の一つであるが取り上げていなかった。刊行物には図録があるが、章ごとに資料番号が1から始まるのは不便である。

2023年9月16日から10月29日まで開催

2023年10月17日見学

2023年11月3日記