刈谷市歴史博物館見学記2

 安城市の次に刈谷市に回った。タイトルは『豊臣秀次』、サブタイトルは「刈谷に新時代をもたらした関白殿下」である。豊臣秀次を主人公とした展示は全国でも初めてと思う。直接刈谷とは関係ないが、秀次の領地のうちにあるということでの開催である。全37種、参考パネル7種計44種である(うち刈谷市蔵は7種)。肉親が少ない豊臣秀吉にとっては甥であり、秀吉の後に関白となった。小牧・長久手の戦いや四国攻めなどを経て、近江のうちに二十万石を与えられた。近江八幡城を築き、城下町を整備した。江陽八幡山古城絵図、安土山下町中掟書などが出ている。小田原城攻めの後に尾張、西三河を与えられ、清洲城主となった。田中吉政像(付家老)、秀次朱印状などが展示されている。秀次の生涯で最も注目されるのは、秀次が自害し家族が処刑されたいわゆる秀次事件であろう。秀次公縁起、瑞泉寺縁起、秀次供養塔、瑞泉寺裂などが並んでいる。最後の居城であった聚楽第については何も出ていなかった。殺生関白などの悪評が出始めるのは近世以降である。家系が断絶したので史資料が少ないが、関係する政治経済文化等の研究の進展により評価も変わってくると思われる。今回の展示がその契機になるであろう。刊行物は図録と展示作品リストがある。

2021年10月9日から11月21日まで開催

2021年10月24日見学

2021年11月3日記