毎年のごとくの見学記である。タイトルは『秀郷伝説異聞』である。なぜ小山市で開くかというと秀郷の嫡流が小山氏とされているからである。ただ、実在はしても伝承のほうが多い人物である。4章に分かれ、計31種で構成されている。第一庄はその小山氏に関することである。子孫に伝わった小山系図が出ている。第二章は秀郷を有名にした平将門の乱であり、将門記などが出品されている。第三章からは伝説の世界に入る。すなわち俵藤太を取り上げている。武人らしく太刀(蜈蚣切)、甲冑金具(号避来矢)が並んでいる。他に俵藤太物語絵巻、日光山縁起絵巻などもある。秀郷の子孫は全国に多くいるが、第四章ではその代表として小山氏から分かれたとされる近江大石氏についての展示をしている。大石内蔵助良雄関連の具足、書状など赤穂大石神社からの出品である。秀郷は栃木県内各地に多くの伝説、史跡があり、まさにふるさとの英雄といえる存在である。これからも別の博物館等で取り上げられることと思われる。但し、史実よりも伝説の方に重点がおかれるのは秀郷の宿命であろう。刊行物は図録と展示資料一覧がある。
2020年10月24日から11月29日まで開催
2020年11月7日見学
2020年11月16日記