昭和女子大学光葉博物館見学記2

 タイトルは『旗本 荒尾家の世界』である。鳥取藩池田家の筆頭家老で米子城代であった荒尾家から旗本が三家取り立てられた。うち一家は断絶したが、他の二家はともに二百石で幕末まで続いた。第1章は織田信長と荒尾家、第二章は米子荒尾家と旗本荒尾家の誕生である。現東海市荒尾町にあった木田城主であったが、織田信長に属しついで池田家の家臣となった。織田家、池田家とも縁戚関係にあった。大藩の家老から旗本が出た少ない例の一つである。善応院画像、徳川秀忠朱印状などが出ている。メインとなる第三章はタイトルと同じ旗本荒尾家文書の世界である。二つの旗本荒尾家の幕府内における役職や文化活動を多くの文書から説明している。中には長崎奉行や目付になった者もいる。最後の第四章は旗本荒尾家文書の幕末明治であり、幕末を生き抜いき近代に活躍した姿を文書から追っている。旗本の文書がまとまって残っているのは大変貴重である。刊行物には図録があり、論考4本、史料翻刻も載っており参考になる。72ページもあるのに無料なのはありがたかった。当日はシンポジウム『旗本荒尾家の中世・近世・近代』の開催日であり私も聴講した。

2025年10月29日から11月29日まで開催

2025年11月1日見学

2025年11月10日記