ほとんどの館が再開したが、まだまだ制約が多い。スケジュールもかなり変更が出ている。今回は特集展示として『特別展武蔵国の旗本を振り替える』、『太平記絵巻の修理を終えて』の二本立てを見た。後者のほうは7月から9月にかけての企画展が中止になったので、その内の巻第六、巻第十の一部を公開した。前者は3月から5月までの特別展がこちらも中止になったが、開催直前の取り止めということでダイジェスト版での展示である。本来なら全国各地からの出品があったがいつまでも借りれれず、今回は館蔵を中心に県内資料での構成である。通常の特別展の三分の一ぐらいの規模であった。参考を含めて全37種、その内稲生家(館蔵)、水野家(寄託)の2家で31種を占める。武蔵国に約600もいた旗本のうち僅か4家であった。概説は予定されたパネルを多用している。刊行物は展示資料一覧の入ったリーフレットのみである。
特別展の図録は刊行されていたので少し紹介する。計155種を予定していた。いくつか章立てされているが、プロローグの旗本前史、エピローグの旗本のゆくえ以外は各家ごとの記述にした方がすっきりしたようだ。概説と個々の家の記述が混ざっており見ずらかった。館内では他に『みほとけの世界』、『往来物・教科書』のコーナー展も見学した。返す返すも本来の展示を見たかった。今回は予定数の四分の一しか並んでいなかった。ぜひ数年後に二度目の『武蔵国の旗本』を開いて欲しい。予定されていた講演会、シンポジウムなどは全て中止となった。これらのレジュメの活字化も希望する。図録の論考2本は小さな活字なので読みずらい。なお、画像は予定されていた特別展のものである。
2020年7月18日から9月6日まで開催
2020年7月24日見学
2020年8月1日記