港区立郷土歴史館見学記2

 タイトルは『激動する幕末維新の港区』である。港区における幕末維新期の動きを順に追って紹介している。第1章の第2節品川台場の築造では台場の絵図がいくつか出ている。この頃になると鍋島斉正、竹内保徳など人物の写真が撮られるようになる。第2章は桜田門外の変で井伊大老襲撃ノ図、桜田門外の変死傷者書上などが出ている。水戸浪士たちが集結した愛宕山の写真も多数ある。第3章は東禅寺事件であり、文久元年(1861)の襲撃時の様子や任務に殉じた幕臣にそれぞれ一節を割いている。警衛方の唯一の戦死者である江幡吉平については特に詳しい。第4章は薩摩藩邸焼き討ち事件では新徴組御用私記、西郷隆盛所用の硯などが出ている。最後の第5章は第1節鳥羽・伏見の戦い、第2節江戸無血開城、第3節上野戦争で構成され、鉄舟胴乱、勝海舟書画巻、官軍兵士軍服などが出ている。港区がいかに多くの事件の舞台になったかがよく分かる展示であった。刊行物は図録と展示資料リストがある。四階のギャラリーでは関連展示の『幕末維新の事件現場探訪が』開かれている。

2024年10月19日から12月15日まで開催

2024年10月21日見学

2024年10月30日記