小山市立博物館見学記5

 緊急事態宣言で東京都内の博物館等はほぼ全滅状態である。少し足を延ばして栃木県を訪れた。今回は『日光山と小山』である。中世近世の小山と日光山との関係がテーマである。中世に関しては日光山と小山氏との繋がりであり、中世前期には一族から座主を出したほど影響力があった。四十間二方白総覆輪筋兜、小山持政奉納 無銘大太刀、結城合戦物語絵巻などが展示されている。しかし、中世後期になると日光山は壬生氏、後北条氏等の支配がおよび、小山氏との関連は薄れる。近世に入って日光山と小山は日光道中の間々田宿、小山宿などを通じて関係が出てくる。本多正純、天海等の日光東照宮造営や将軍社参、宿の役割などである。将軍以外にも日光例幣使、朝鮮通信使等多くの人々が小山を通過した。日光東照宮祭礼図屏風、朝鮮通信使来朝図、同絵馬などが出ている。小山御殿絵図、古河城二之丸御殿絵図は将軍用の施設が良く分かる。日光山寺社保存のための保晃会広告・会員証が一番最後の展示品となる。刊行物は図録が発行されている。小山御殿、古河城の絵図の翻刻図が載っているのはありがたい。

2021年4月24日から6月20日まで開催

2021年5月9日見学

2021年5月16日記