多分、今年最後の見学記である。タイトルは『千葉常胤と鎌倉幕府の成立』、サブタイトルは「東国武士と武家政権」である。「千葉常胤生誕900年記念特別展」ともあり期待したが、今一という感想である。最初は武士とは何かということで土気黒ハギ遺跡(千葉市)や西ノ谷遺跡(横浜市)の出土遺物や鞍、太刀などが出ている。しかし常胤の登場からは錦絵や文献は実物であるが、伝源頼朝坐像、源範頼像、源氏の白旗などは複製であり、数少ない古文書も複製である。その中で実物の千葉常胤肖像画及び自詠短冊(成田山霊光館)は初見であった。常胤後の千葉氏についても千葉貞胤画像、木造妙見菩薩倚像、古文書などは複製であった。せめて妙見像は実物を展示して欲しかった。記念特別展と謳いながら、三分の一が複製、パネルなのはやや寂しい。この館では何回か千葉氏関連の展示が開かれているが、今回は目新しいものが少なかったという印象である。刊行物は図録と資料一覧がある。『地中の歴史をさぐる』(千葉県教育事業財団)も同時開催であった。
<h3>2018年10月23日から12月16日まで開催</h3>