知るのが遅くて行けるかどうか分からなかったが、かろうじて最終日に見ることが出来た。佐倉市には国立の歴史民俗博物館があるが市立の施設としては博物館、資料館はなく、たまにこの館を使って歴史分野の展示をしている。今回はそのたまたまにあたる。城下町四OO年記念事業の一つとして『城と町と人と』がタイトルになる。二階三階が展示室であり、参考出品を含めて91種である。最初に本佐倉城址と佐倉城址の出土遺物が並ぶ。他には北条氏勝位牌(宝金剛寺蔵)や土井利勝父母夫人の松林寺供養塔出土品が目立つ。次に佐倉城絵図が小田原市蔵、西尾市蔵を含めて6点展示されている。別の場所にも1点あり、計7点を数える(他に明治の実測図1点)。城絵図をこれほど集めたのは初めてであろう。続けて佐倉城下町からの出土遺物がある。以上が二階であり、三階に行くと甲冑や佐倉連隊関連の品が展示されている。それからは美術館らしく佐倉出身あるいは関係する作家の絵画などが多く並んでいる。展示室は天井が高く出品物の配置もゆったりで、いかにも美術館らしい展示となっている。刊行物に図録と展示資料リストがある。図録には佐倉城絵図に関する論考も載っている。ただ、全国にはまだ多くの城絵図があると思われるので集成を望みたい。
美術館のエントランス部分は千葉県有形文化財となっている。常設展はなく、企画展、公募展が主となる。ミュージアムショップ、喫茶コーナーもある。交通は京成本線京成佐倉駅から徒歩8分、JR総武本線佐倉駅から徒歩20分、バスで10分である。近くには佐倉城址、武家屋敷など南関東には珍しく城下町らしい雰囲気が残っており、散策にもってこいである。国立歴史民俗博物館も城址内にある。
<h3>2018年2月27日から3月25日まで開催</h3>
- 見学日
- 2018年3月25日
- 記
- 2018年4月1日