タイトルが『江戸城の事件簿』なので城郭に関する展示ということになるが、城そのものをどのくらい扱っているか分からなかった。プロローグ(江戸城の空間と構造)ではしっかり本丸西丸図、柳営表向之図(本丸御殿)などが出ていた。次はタイトル通りの章であり、有名な松の廊下刀傷事件、田沼意知殺傷事件、桜田事変やあまり知られていない松平外記刃傷事件等々を取り上げている。厳重と思われた江戸城もたびたび窃盗に入られた。天保年間と安政年間の事例が紹介されている。珍事件として城内に侵入した犬猫に関する文献が出ている。猫は城外に放されたが、犬は殺されてしまったのは悲しい。江戸城も火災や地震が多発しており、文献の他に柳営御白書院下絵、柳営起絵図などが展示されている。エピローグ(江戸城から皇居へ)では五千分一東京図、宮城御落成景を見ることが出来る。松の廊下、桜田門外の変など有名な事件は史料が豊富であり、別の機会に大きく取り上げて欲しい。刊行物は展示資料一覧と8ページの無料のリーフレットが配られている。
2022年7月16日から9月11日まで開催
2022年8月5日見学
2022年8月10日記