今回は少し変わった見学記である。タイトルは『海を渡った侍たち』であるが、フォトサロンが会場であることから分かるように写真展である。サブタイトルは「幕末・明治の肖像写真」でありこのような書籍は多くでているが、実際の展示会は珍しい。1860年の遣米使節団から1871年の岩倉使節団までの欧米各地で撮影された約130点のである。使節、従者。、留学生、女性それぞれに分かる範囲での略歴が書かれている。歴史上著名な人もいれば、全くの無名の人もいる。幕末明治の動乱期であるので、幕府高官が後に蟄居したり従者が新政府の官僚になったりなどの歴史の一端が垣間見える。また、当時の服装なども良く分かる。古写真も立派な歴史史料といえる。古写真展は毎年開かれているので、フォトサロンの特徴の一つである。刊行物は図録(800円)が出ている。
フォトサロンは日本カメラ博物館の入っている建物にあるので、カメラに興味がある人はそちらも見学できる。フォトサロンは常設展を持っていないので、いわばカメラ博物館の企画展示室といえる。東京メトロ半蔵門駅下車すぐである。1ブロック東側には江戸城址が広がっているので、時間があれば散歩がてら歩いてみたらよいであろう。
<h3>2016年8月2日から8月28日まで開催</h3>
- 見学日
- 2016年8月4日
- 記
- 2016年8月12日