この館は何度か行っているが、見学記は二回目である。タイトルは『坂東武者の生きざま』、サブタイトルは「埼玉の中世文書」である。展示替えを含めて計95種である。大きく二つに分けられる。初めは鎌倉公方と東国社会であり、十四世紀から十六世紀までの鎌倉公方周辺の文書を取り扱っている。後醍醐天皇綸旨、足利持氏御教書、上杉憲実書状などが出ている。次に戦国争乱と坂東武者であり、十六世紀で小田原攻めまでを対象とする。後北条氏関連では氏綱、氏直、氏邦など、他に豊臣秀吉朱印状、徳川家康朱印状等がある。主な展示は以上の二つであるが、特集展示として安保文書の世界がある。館では十四世紀から十六世紀までの3巻37点を収蔵している。会期中に全てを公開するが、展示替えが激しく今回は5点のみであった。小出しのようで物足りなかった。常設展示室を一時閉室していつもの倍の規模の展示であった。鎌倉時代の文書はほとんど無いので、タイトルの坂東武者は似合わない。サブタイトルの埼玉の中世文書の方をメインにした方が今回の展示にはしっくりいった。テレビに引きずられたように感じた。刊行物は展示資料一覧、解読文集の他に20ページのリーフレットが配られている。なお、四階では『鎌倉街道上道調査パネル展』も開かれている。
2022年9月17日から11月20日まで開催
2022年10月25日見学
2022年11月1日記