安城市歴史博物館見学記3

 友人と愛知県内の博物館等を回ってきた。最初は『家康と松平一族』である。開館30周年記念ということでいつもの企画展示室と隣の安城市民ギャラリーの二ヶ所が会場である。県立レベルに匹敵し、小さな資料館の5倍ぐらいある。写真パネルを含めて総数は約380点を数える。見慣れたもの、初めて見るものなどがあり、種類もバラエティーに富んでいた。第一章の一族が活躍した時代では松平家の宗家の始まりから家康までを簡単に紹介している。次は松平諸家ということでいわゆる十四松平、十八松平のうち主な家の戦国期の状況である。岩津家、竹谷家、形原家等であるが、江戸時代に大名になった家もあれば旗本止りの家そして断絶した家など様々な道を辿った。第二章は家康のもとでの活躍である。三河一向一揆、長篠合戦、関東移封、関ケ原の戦い、大坂の陣と家康の家臣として共に戦った足跡である。一つ一つが大きなテーマであり、展示ではダイジェストにまとめている。会場をギャラリーに移して第三章は幕府を支える一族となる。東北から九州まで代表的な藩を取り上げている。藩ごとに簡単に古文書、城絵図、文献などで紹介している。江戸初期から幕末まで一ヶ所で続いた家、転封を繰り返した家、断絶した家等いろいろであった。断絶した家はこれを機に研究が進むことを期待したい。浅野文庫の諸国古城之図(パネル)、主図合結記などの城絵図を所々に配しているのは参考になった。。質量共に素晴らしい展示であった。今回は他にも回る予定があったので、一時間半しか見れなかったが、余裕があれば半日費やす価値はあるだろう。刊行物は図録が出ている。

2021年1月30日から3月7日まで開催

2021年2月28日見学

2021年3月7日記