昭和女子大学光葉博物館見学記

 德川記念財団の主催・共催展は都内では江戸東京博物館が多いが、今回は大学創立100周年記念ということで敷地内にある博物館での展示である。タイトルは『徳川将軍家を訪ねて』、サブタイトルは「江戸から令和へ」である。スペースの関係かもしれないが、第Ⅰ部と第Ⅱ部(女性によって継がれた徳川将軍家と井関隆子日記)が日程を変えて開かれる。今回は第Ⅰ部を見学した。テーマは徳川幕府を創った家康と歴代将軍である。3章からなる。第1章は平和を担った将軍と文化であり、歴代将軍の紹介および遺品からなる。家康から家定までの絵画がメインであり、それぞれの書き手の性格が表れている。他に東照宮御影、御系図、訴状箱鍵などがある。第2章は家名存続に尽くした二人の正室であり、幕末の篤姫と和宮にスポットを当てている。石印、篤姫消息などが並ぶ。第3章は伝統と近代化の両立を図った德川宗家であり、近代の16代家達以降の歴史を紹介している。爵記、大礼服などが出ている。第2章がやや場違いに感じたが、徳川家の近世と近代を繋ぐ役割を果たしたということでここに取り上げたのであろう。歴代将軍の遺品が少ないように見受けられるたが、第1部は近世から現代までの通史としての位置付けと思われる。刊行物は第1部、第2部共通の図録がある。

 博物館は昭和女子大学構内にある。年6~7回の特別展、企画展のみが開かれる。大学所蔵のコレクションも沢山あるので、小さくとも常設展示室があってよいであろう。大学は東急電鉄田園都市線三軒茶屋駅から徒歩8分である。渋谷駅からバス便も多く出ている。なお、受付してからの入構となる。

2020年10月3日から10月24日まで開催

2020年10月7日見学

2020年10月17日記