今回のタイトルは『北条氏の進出と八王子』である。サブタイトルに「館蔵・市内所在文書を中心に」とあるように古文書が主となる。御多分にもれずこちらも北条早雲没後五00年と銘打っている。そうは言っても早雲よりも氏照が中心となる。特別展示室の入口脇に北条氏ゆかりの茶道具として八王子城址御主殿出土の天目茶碗、茶入など11点の陳列があるが、こちらは企画展とは別のようである。文書、文献合わせて29点、絵図4点計33点の展示である。パネルや複製の他に原文書も多く、広瀬家文書4点がまとまって出ている。全て久下郷の代官であった金子右京亮あての文書である。高雄山薬王院から5点、高乗寺から2点出品されている。壁面には虎朱印、花押などの解説がある。絵図は高乗寺1点、滝山城2点、八王子城1点であり、高乗寺、滝山城1点は原本である。最後のコーナーは江戸時代に記録された北条氏の文書とあり、『武州文書』、『武蔵名勝図絵』などから北条家朱印状写等のパネルが出ている。大きな展示室ではないが、氏照の文書をまとめて見られるよい機会であった。刊行物は展示資料一覧と無料の出展資料釈文がある。
2019年10月29日から12月15日まで開催
2019年11月27日見学
2019年12月5日記