今回のタイトルは『道灌以後の戦国争乱』である。サブイトルが「横浜・上原家文書にみる中世」であるように中世文書が中心となる。上原家文書11点の他に平林寺文書、東山文書、本田文書、潮田文書などである。後北条氏関連のものが主である。特別展示として栗原清一旧蔵中世文書4点も出ている。出土遺物は江戸城址(竹橋門遺跡)、石戸城址、岩付城址、葛西城址の4ヶ所からのものである。他に小田原衆所領役帳が3種類などの古文献があり、武具類は少なかった。道灌以後は武蔵相模は後北条氏の配下に入っていた。そのため太田氏関連の史資料は少ないが、江戸太田氏、岩付太田氏、三楽斎道誉などを取り上げて紹介していた。ただ、太田氏が主役ではあるが、後北条氏に振り回されていた感は否めない。船橋、湯屋の参考パネルとして一遍聖絵2点が出ていたが、時代が違いすぎるので少し変であった。刊行物は図録のみである。会場では文書に釈文が付いていたが、図録には無かったのは残念である。出品数が多いので出品リストぐらいは作って欲しかった。
2019年6月15日から7月31日まで開催
2019年7月10日見学
2019年7月20日記