『武田二十四将展』を見てきた。このテーマや武田信玄の展示なら本家本元であり、期待して見に行った。開館10周年記念特別展であり、学術研究の成果でもある。大河ドラマや信玄祭などとの関連はあまりないようである。展示替えがあり計168点である。県内各地はもちろん山形県から滋賀県までの出品があった。二十四将のうち、信玄を初め武田勝頼、山本勘助は有名であり、戦国通なら穴山梅雪、馬場信春、山県昌景などの名を知っているであろう。最近は大河ドラマ関連で真田三兄弟に光が当たっている。
しかし、その他の武将については山梨県内の人を除いてよほどの戦国史研究者や郷土史研究者でないと知らない。展示ではそれらの武将、例えば三枝氏、土屋氏などについても取り上げている。もちろん、二十四将は代表的な武将であり、他にも多くの家臣がおりその内の何名かも展示品に見いだせる。
出品のうち多くが古文書である。武田家の中のみならず、徳川家康、上杉景勝、豊臣秀吉などのとの関連文書もいくつかある。その他は肖像画、武具、出土遺物など万遍なく展示されている。山県昌景は先年、福井市立郷土歴史博物館で関連の展示があったが、今回初めて現物の史料を見た。「長篠合戦図屏風下絵」は東京国立博物館蔵といってもいつも展示されている訳ではなく、これも初見であった。遠くの県からも出品があるということは、武田氏滅亡後に江戸幕府の旗本や大名の家臣になった例が多くあった証しである。
図録は2000円で販売している。資料翻刻ものっている。火曜日休みであり、初めての方は常設展も合わせての見学をおすすめする。なお、車で行く分には便利であるが、石和温泉駅、甲府駅からのバスは時間を確認してから行った方がよいであろう。
開催期間
3月19日から5月23日までの開催である。
- 見学日
- 2016年03月26日
- 記
- 2016年04月07日