コレクション展であり、古文書中心であったが、まとまった文書が見れたということで見学記を書くことにした。タイトルは『帰源院文書からみた戦国時代』、サブタイトルは「小田原北条氏と鎌倉」である。帰源院は円覚寺の塔頭の一つである。戦国時代に北条氏康が中興して以来、後北条氏の保護があつかった。総数35点、うち古文書はパネル3通を含めて32通を数える。館蔵の帰源院文書は全て原文書で並んでいる(他に県立公文書館19通、寺8通が確認できる)。後北条氏関連では氏康、氏政、氏直の他に氏繁、北条家朱印状など、家臣では大道寺氏、松田氏のものもある。後北条氏滅亡後も徳川氏が続けて庇護し(豊臣氏も同様)、検地、税に関する文書も出ている。十六世紀以外でも足利直義下文案(1335)、江戸幕府寺社奉行所召状(1648)など多彩である。いかに帰源院が文書を大切にしていたかが分かる。また、内容的にも重要なものが含まれている。刊行物は出品目録のみである。予算が付けばぜひ図録か解説書を作って欲しい。
2022年3月5日から4月10日まで開催
2022年3月27日見学
2022年3月31日記