今年最後の見学記である。タイトルは『絵詞に探るモンゴル襲来』、サブタイトルは「蒙古襲来絵詞の世界」である。文永の役750年のPart.2になる。Part.1は考古学からの視点であったが、今回は絵画資料となる。メインは菊池神社(菊池市)蔵の蒙古襲来絵詞と根岸家(熊谷市)蔵の蒙古襲来絵詞である。3期に分けて全巻展示している。皇居三の丸尚蔵館蔵の国宝蒙古襲来絵詞が原本であり、模写本は約40本存在している。その中の代表例がこの2つである。一番長い壁面に2つの同じ場面を並べている。多くの違いが良く分かる。展示は最初に近世近代の研究を本朝軍器考、伏敵編などで紹介している。最後は現代の鈴木敬三、堀本一繁等の研究状況である。出土遺物もてつはう、鉄製兜、矢束が出ている。遠い九州の出来事であるが、関東でこのようなテーマの展示が見れるのはありがたい。蒙古襲来絵詞の更なる研究を期待したい。刊行物は図録と出品リストがある。図録には2つの絵詞の全画面が載っている。
2024年11月30日から2025年2月16日まで開催
2024年12月18日見学
2024年12月25日記