タイトルは『鎌倉の廃寺』、サブタイトルは「寺社の興亡」である。鎌倉に存在した寺からの出土遺物が中心となる。計41件で構成されている。第一章はいにしえの寺院跡であり、鎌倉幕府に関係が深い寺を取り上げている。永福寺址出土鬼瓦、仏法寺址出土の柿経、東勝寺址出土の白磁碗などが出ている。第二章は律の廃寺であり、律宗、密教系の廃寺が対象である。西方寺址出土の銅造骨蔵器、無量寺址出土の仏華瓶などが並んでいる。第三章は室町時代に華やいだ鎌倉の廃寺であり、鎌倉幕府滅亡後に存続した寺の紹介である。太平尼寺址出土の花器などが出ている。地味なテーマであるが、出土遺物の優品が多かった。現存する寺ではないのでなじみが薄いが、中世鎌倉の歴史を考える上では重要なポイントである。刊行物は出品目録と見開きの解説がある。
2024年3月21日から6月29日まで開催
2024年6月8日見学
2024年6月13日