この時期になるとこの館で中世関連の企画展と近くの国立女性教育会館で中世シンポジウムが開かれる。今年のシンポジウムのテーマは『関東の戦国末期を再考する』であり、企画展のテーマは『戦国を生き抜いた武将たち』である。自宅から遠いので、シンポジウムを聞いてその合間に展示を見るというパターンになっている。展示室はそれほど大きくはない。展示品は合計64種類である。大きく後北条氏関連、国衆関連、出土遺物に分けられる。先の二つは文書中心であり、甲冑、刀が少々といったところ。北条宗家、北条氏邦の他は上田氏、太田氏、成田氏、木戸氏などである。出土遺物は小田原城址、八王子城址、鉢形城址、岩槻城址、騎西城址などからである。一つ気になったのはタイトルのことである。戦国を生き抜いたという割には近世に入ってどうなったかの説明がない。戦国を生きたというのなら分かるが天正十八年以降の動向も知りたかった。刊行物として図録が出ている。
博物館は菅谷城址の一画にある。2006年にリニューアルする前は埼玉県立歴史資料館という名称であった。前も後も中世史に特化した展示となっている。立地上、大規模な増改築が行えないので、県立の展示施設の中では小さな部類に入る。企画展の開催中は常設展示はない。東武鉄道東上線武蔵嵐山駅から徒歩15分である。バス便はない。
<h3>2016年11月1日から2017年2月19日まで開催</h3>
- 見学日
- 2017年1月29日
- 記
- 2017年2月10日