図録と展示の関係について。展示が今一つでも図録がよい場合と展示は見応えがあるのだが図録がない場合とそれぞれである。今回の『牛久藩主とその時代展』は前者のほうに近い。牛久藩主山口氏は寛永六年(1629)に大名となり、寛文九年(1669)に牛久に陣屋を構えた。一万石の小大名であった。明治四年(1871)まで12代続いた。展示はこの山口氏の歴代の関係資料を並べている。家紋陣幕や行列図巻など珍しいものもあるが、古写真などを含めて計34点の小規模な展示である。特別展となっているが、テーマ展のようなものである。図録の体裁はごく一般的なものであるが、歴代の事績が書かれている。山口氏自体は牛久市民を含めてほとんど知られていないので、展示もさることながらこのような本が出ることは大変貴重である。この展示の主催は牛久市教育委員会であり、自前の博物館等を持たないので、ここを借りたようである。
ミュージアムはシャトーカミヤの敷地にある。ワインを初め酒類の常設展示のある小さな博物館である。シャトー内には重要文化財の旧事務室(本館)、旧貯蔵庫、旧発酵室があり、食事、買い物も各所で出来る。JR常磐線牛久駅から徒歩8分で着く。牛久陣屋址までは遠いので車で行くしかない。
<3h>2016年10月29日から12月11日まで開催</3h>
- 見学日
- 2016年11月23日
- 記
- 2016年12月6日