テーマが鹿狩(ししがり)ということで見に行った。タイトルは『松戸と徳川将軍の御鹿狩』である。徳川将軍といっても八代吉宗(1回)、十一代家斉(1回)、十二代家慶(2回)の計4回のことであり、近世前期の鷹狩とは様相が異なる。小金牧を含む小金原を中心とし、最初にいくつかの鹿狩図が目立つ。馬込を使わず、わざわざ将軍が見学する高さ約6Mの御立場を築いた。次に参加した武士関連で陣羽織、陣笠、火縄銃などが並ぶ。牧を管理する牧士の野羽織、鞍なども出ているが、牧を含めて説明不足の感がる。続いて百姓勢子の資料も出ている。次のコーナーは浮世絵野中の御鹿狩である。14点あり、江戸期のものは源頼朝の富士の巻狩に仮託している。御立場が目立って描かれている。最後は江戸川の船橋である。テーマに即して江戸川限定である。江戸後期の御鹿狩に絞った展示であり、江戸前期との比較もあればよいと思った。また、各分野をもう少し詳しく知りたかった。刊行物は図録と展示資料一覧がある。図録に年表を付けて欲しかった。
2020年9月26日から11月15日まで開催
2020年10月4日見学
2020年10月12日記