源実朝没後八〇〇年記念というふれこみの『源実朝とその時代』である。計37種で構成されている。善光寺(甲府市)の坐像は有名であるが、小ぶりな金剛寺(秦野市)のものも並んでいた。国宝の古神宝類(鶴岡八幡宮)は5種10展が出ていた。肝心の実朝の文書は無く、源頼朝寄進状が2通ある。実朝関連では実朝首塚にあった木造五輪塔(金剛寺)、実朝が創建した大慈寺址出土瓦ぐらいである。他には源範頼、九条頼経、明庵栄西などの資料や吾妻鏡などである。鶴岡八幡宮での暗殺についてはいまだ定説がないのであるが、そのことや歌人としての実朝のことなども取り上げて欲しかった。どちらかというと実朝本人よりもその時代の方に力点が置かれていたのが少し物足りなかった。刊行物は図録と出品一覧がある。
<h3>2019年1月4日から2月3日まで開催</h3>