横浜開港資料館見学記

今回はほぼ近代に関する展示である。タイトルは『明治天皇、横浜へ』である。明治天皇は東京へ最初の行幸(東幸)の途中に横浜へ寄った明治元年(1868)から凱旋観艦式が行われた明治三十八年(1905)まで数十回にわたり横浜に行幸した。特に根岸競馬場へは十三回を数えた。横浜に御用邸があるのも初めて知った。また、崩御後のことや行啓についても詳しい展示がされている。サブタイトルに「宮内省文書が語る地域史」とあり、宮内庁宮内公文書館との共催である。宮内公文書館の資料は普段目にすることが少ないので良い機会である。総じて初めて見る資料が多かった。明治天皇の事績の展示施設としては明治神宮関連の他、田中光顕が係わったものがある。近年、千葉県文書館の『皇室がふれた千葉x千葉がふれた皇室展』(2015)、八王子市郷土資料館の『郷土へのまなざしー史跡・聖蹟と八王子展』(2016)なども開催されており、明治天皇の再検討が行われているようである。今回もその一つであろうか。各県でもこのような調査研究が進むことを期待したい。刊行物に図録と資料目録がある。

資料館は名称にあるように江戸に近い横浜が、開港を契機に発展したことを記録するために開設された。常設展示は幕末明治の横浜をペリー来航、文明開化などのコーナーに分けて紹介している。横浜らしい一つのテーマに特化した資料館である。隣接した旧館は昭和六年(1931)に建てられた旧英国総領事館であり合わせて見学したい。山下公園、中華街なども近い。横浜高速鉄道みなとみらい線日本大通り駅からすぐであるし、、JR根岸線関内駅からも歩いて15分である。

<h3>2016年10月28日から2017年1月29日まで開催</h3>

見学日
2017年1月9日
2017年1月18日

横浜開港資料館見学記