木更津市郷土博物館見学記

千葉県は南北に長く安房や上総は結構遠いが、博物館は余裕をもって行ける。正式名称は木更津市郷土博物館金のすずである。今回は『木更津の中世』を見てきた。サブタイトルは「真里谷武田氏とその時代」で、真里谷武田氏に絞った展示である。国衆としての武田氏の勃興から滅亡までを取り上げている。展示品は全てで53種、目立つのは真里谷城址、笹子城址の出土遺物や笹子城図、嶺上城図などである。あとは古文書、史料が大半を占める。寺社との関連にもふれられており、特に妙本寺日我書状(個人蔵)などは興味深かった。武田氏は真里谷と長南に分かれたが、ともに天正十八年(1590)までには滅亡している。そのため地元には史資料は少ないようである。それでも戦国大名里見氏と比べて知名度が低い真里谷武田氏を取り上げた展示は初めてかもしれないので、良い機会であった。図録はないが、入館者には無料のリーフレットが配られる。

博物館は太田山公園にあり、常設展示は旧石器時代から現代そして民俗と充実している。特に館名が金のすずであるように金鈴塚古墳の出土品(重要文化財)が目玉である。また、公園内には旧安西家住宅(市文化財)もある。JR内房線木更津駅からバス便もあるが、直線道路を徒歩20分で迷わず着く。なお、真里谷武田氏の本拠の真里谷城址はここから15kmとかなり遠い。大規模城郭であり、東京方面からだとそれこそ泊りがけの覚悟が必要である。

<h3>2017年10月14日から12月24日まで開催</h3>

見学日
2017年11月19日
2017年11月26日